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学会案内

日本ペストロジー研究会設立趣意書

1.日本ペストロジー研究会設立
 近年の急激な都市化、社会構造の変化、あるいは生活様式や、生活感覚の変化によって、我が国のねずみ衛生害虫防除事業は大きく変容してまいりました。すなわち、伝染病防圧のために始った媒介昆虫駆除から、快適な環境作りのための不快昆虫防除へと大きく変化してきました。
これに伴い、防除の主力は市町村の衛生班、地区組織活動から、PCOへと移り変ってまいりました。
また、対象害虫として不快害虫が大きな問題となり、防除の場も都市が主な舞台となってまいりました。このような情勢の中で、我が国のねずみ衛生害虫防除事業におけるPCOの役割や責任はますます重要になりつつあります。
PCOは、技術集団だといわれます。換言すれば、技術をサービスする産業であります。この技術を支えるものは学問であります。翻って関連学会を眺望してみますに、衛生動物学という伝統的な学問領域があり大きな支えとなってはいますが、アカデミックな医学の一分科に所属しており、ペストコントロールを中心とした学会ではありません。
ここに、PCOのための学問を模索し、その技術体系を作りあげることをめざして旗揚げしようとするのが「日本ペストロジー研究会」であります。学問的研究や技術的開発の場として研究発表大会をもち、全国的規模で研究者、技術者、あるいは実務者にいたるまで、その相互啓発・学問的交流・情報交換・懇親を図ることを目的とするものであります。

昭和60年8月17日

2.日本ペストロジー学会の設立
 日本ペストロジー学会は、ねずみ・衛生害虫、その他生活及び産業上の有害・不快生物の 防除に関する学問の進歩並びにその応用技術の向上を図ることを目的として、平成元年11月 に学会として発足しました。
 年に一度、年次大会や総会を開催し、多くの会員が大会に参加し、活発な意見交換がなさ れています。また、様々な関連分野の研究会、講習会、例会等も活発に開催しています。 また、年に二回、日本ペストロジー学会の会誌「ペストロジー」を発行し、学術情報の発 信に努めております。

日本ペストロジー学会あいさつ文

 このたび、日本ペストロジー学会第14期会長を拝命いたしました国立感染症研究所の澤邉京子と申します。ペストロジーとは、主に不快害虫獣(ペスト)を対象として、その防除を目的とする学問であり、日本ペストロジー学会は、害虫駆除の実務に携わる人や機関(PCO)にとって必要な技術を研究し開発する学問の場を提供しています。

 日本ペストロジー学会は、その前身である「ペストロジー研究会」の発足(1986年)から数えて38年目を迎えました。ペストロジー研究会を発足させた発起人の先輩研究者達は、ペストロジー研究会は学問研究の場ではあるが、そこにはもう一つの価値観、役に立つ技術の開発があるとし、日本におけるペストロジーの確立と、PCOによるPCOのための学会を目指し、1989年に「ペストロジー学会」を設立しました。当時の既存の学術集団とはかなり趣向が異なる学会であったと思いますが、このような応用的でかつ実務者のための学問が今まさに求められています。

 本学会が設立された当時と今とでは、本学会を取り巻く環境は大きく変わりました。最近では、従来のハエ・蚊・ゴキブリ・ネズミ等のみならず、外来性のペストも加えた研究が求められ、さらには、新型コロナウイルス感染症対応での消毒作業、高病原性鳥インフルエンザや豚熱対応での家畜の殺処分や車両消毒に伴う技術の開発が急務となっています。また、防除技術には分子生物学の技術が導入され、ドローンやAI技術の活用などへの理解も各段に深まりました。

 日本ペストロジー学会は、時代とともに変遷する社会のニーズに応える活動が求められています。そのため、様々な知識を有する研究者や技術者、防除実務者が学会構成員として活動しています。多種多様なペストの研究と新たなPCO技術の開発を目標の両輪に、彩り豊かな構成員による、社会に貢献する学会となるべく、会員の皆さまと一緒に努力して参りたいと思います。

 当学会は、会員の増強と学問の質の向上と拡大を目指します。年2回の学術誌「ペストロジー」の発刊のほか、年1回の学術集会(大会)や若手談話会などを開催し、調査・研究、防除技術に関する様々な成果や新たな情報を発信するとともに、会員の相互啓発、学術交流、情報交換、懇親を図って参ります。また、若い人材の育成には学会全体で取り組む所存です。会員の皆さま方のご指導とご鞭撻、ご協力をくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。また、本学会に興味を持たれた方は、遠慮なくお問い合わせください。

日本ペストロジー学会
第14期会長 澤邉京子

 

 

 

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